スイスでは運転免許制度をEUと整合させるために2021年1月1日に法改正を行い、 二輪運転免許については次のように再整理されました。 厳密には日本の運転免許制度と一対一には対応しませんが、 だいたい次のような関係になります。
日本 | スイス |
---|---|
原付 | M |
小型自動二輪 | A1 |
普通自動二輪 | A35kW(A2) |
大型自動二輪 | A |
なおスイスでは、 16歳未満だと電動アシスト自転車を運転するにも免許が必要になります。
また実際には日本の普通自動二輪免許では、 スイスのカテゴリA35kWよりもエンジン出力が大きい車両を運転できます。 そのため日本で普通自動二輪免許を取得後にスイスに転居しスイスの運転免許に書き換えた場合、 無試験でカテゴリーA免許が交付されることがあります。
二輪運転免許種別
カテゴリA
項目 | 内容 |
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運転できる車両 | 制限なし |
最低年齢 | 18歳 |
受験資格 | カテゴリA35kW免許を取得後、二年間無事故無違反で仮免を申請できる。 |
教習内容 | 不要 |
試験内容 | 実技試験 |
仮免取得後に、 カテゴリAでのみ運転できる車両(エンジン出力35kW以上、もしくは重量出力比0.2kW/kg以上)を使って実技試験を行います。
最低年齢は18歳となっていますが、 実際には仮免取得のために「カテゴリA35kW免許取得から2年間の無事故無違反歴の実績」が必要なので、 カテゴリAの運転免許を取得できるのは原則として20歳以降になります。
カテゴリA35kW
正式名称は「制限付きA」 (A breschränkt) 、EUではA2に相当。
項目 | 内容 |
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運転できる車両 | エンジン出力35kW未満、かつ重量出力比0.2kW/kg未満 |
最低年齢 | 18歳 |
受験資格 | 不要 |
教習内容 | 学科教習、技能教習、応急救護 |
試験内容 | 実技試験 |
まず応急救護(Nothilfekurs)を受講、 次に基本学科試験(Basistheorieprüfung)に合格することで仮免が交付されます。 仮免交付後さらに
- 実技教習(Praktische Grundschulung; PGS)
- 学科教習(Verkehrsurkunde; VKU)
を受講し、修了後に実技試験を申し込みます。
なお他カテゴリの運転免許取得のため、 すでに基本学科試験、学科教習、応急救護を受講済みの場合、 一定の条件下で再受講が免除されます。
カテゴリA1
項目 | 内容 |
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運転できる車両 | エンジン排気量125cc未満かつエンジン出力11kW未満。ただし15歳ではエンジン排気量50cc未満、エンジン出力4kW未満、かつ最高速度45km/h未満に制限。 |
最低年齢 | 15歳 |
受験資格 | 不要 |
教習内容 | 学科教習、技能教習、応急救護 |
試験内容 | 実技試験 |
まず応急救護(Nothilfekurs)を受講、 次に基本学科試験(Basistheorieprüfung)に合格することで仮免が交付されます。 仮免交付後さらに
- 実技教習(Praktische Grundschulung; PGS)
- 学科教習(Verkehrsurkunde; VKU)
を受講し、修了後に実技試験を申し込みます。
なお他カテゴリの運転免許取得のため、 すでに基本学科試験、学科教習、応急救護を受講済みの場合、 一定の条件下で再受講が免除されます。
またカテゴリB、B1(普通自動車)の運転免許を持っている場合、 技能教習のみで実技試験は免除されます。
カテゴリM
項目 | 内容 |
---|---|
運転できる車両 | エンジン排気量50cc未満、エンジン出力1kW未満、最高速度30km/h未満。 |
最低年齢 | 14歳 |
受験資格 | 不要 |
教習内容 | なし |
試験内容 | 学科試験(簡易) |
このカテゴリには仮免制度がなく、 簡易版の学科試験を受験して合格すると、 すぐに本免許が発行されます。
電動アシスト自転車
スイスでは16歳未満は原則として電動アシスト自転車を運転することができませんが、 カテゴリMの運転免許を持っている場合には16歳未満でも運転が許可されます。
さすがに隣国と比べても制約が厳しいので、 12歳以上で運転可とするべきではないかと議論中。 昨年の段階では、 連邦議会上院は12歳以上で運転可とするべきという意見の一方で、 連邦内閣は電動アシスト自転車の事故が増えていることを踏まえて延齢制限を緩和するべきではないという見解でした。
参考: E-Bikes sollen künftig ab 12 Jahren erlaubt sein
二人乗り
Art. 63216 Mitfahren auf Motorrädern und Fahrrädern
(Art. 30 Abs. 1 SVG)
Mitfahrer auf Motorrädern, motorradähnlichen Leicht-, Klein- und dreirädrigen Motorfahrzeugen haben rittlings zu sitzen und müssen Trittbretter oder Fussrasten benutzen können. Ein Kind unter sieben Jahren darf nur auf einem durch die Zulassungsbehörde bewilligten Kindersitz mitgeführt werden.
バイクを7歳未満の子供と二人乗りするには、 当局の認可を受けたチャイルドシートを取り付ける必要があります。
ある程度大きくなれば同乗者用のフットペダルに足が届きますが、 そうでないとブラブラさせて危ないですしね。 ただし当局は、 バイクに子供を乗せることは法律的には可能だが、 推奨はしないという立場。