子供がいる家庭が休暇を効率的にとるために

学校に通っている子供がいる家庭では、 休暇の日程を学校と合わせる必要があります。 そのため公共交通機関を使った長距離移動や宿泊は割高になり、 遊園地や映画館なども混雑した日に出かけることになります。

これは子供を持つ家庭にとっては経済的に負担が大きいですし、 固定費用がかかる公共交通機関・大型施設にとっても、 特定の日に需要が集中するより分散したほうが嬉しい。

スイスではこれに対して効果的な対策をとっていたので、 紹介します。

休暇分散のための対策

Jokertag

直訳すると Joker(トランプの切り札のジョーカー)の日ということで、 子供が使える有給休暇のようなものです。

詳細は自治体によって変わりますが、 私が住んでいた村だと、 子供は年間2日まで特段の理由なく学校を休むことが認められていました。 使わなかった場合には一定の条件下で翌年に持ち越し可能なので、 3年間貯めれば1週間丸ごと休むことも可能です。

発音はジョーカーターク。

Schulinterne Lehrerfortbildung

学校内教員研修のことで、 この日は教師が研修に参加するため授業なし、 当該校は休みになります。

年間数日あるのですが、 実施日程は学校毎に異なるため、 この日に人気施設に出かけると人が少ないです。

会話では Schulinterne Lehrerfortbildung を省略してシルフ (SchiLF)、 研修日のことをシルフターク (SchiLF Tag) と呼んでいました。

長期休暇

日本では春休み、夏休み、冬休みが学校の長期休暇ですが、 スイスでは秋休み2週間と冬の Sportsferien(スポーツ休暇)2週間が加わります。

長期休暇の日程は自治体ごとに異なり、 特にスポーツ休暇は一時期に集中しないよう、 1月後半から3月にかけて広く分散されています。

また長期休暇は必ず月曜日開始・金曜日終了なので、 長期旅行の日程などが調整しやすい。

祝祭日

スイスでは国全体の祝祭日は少なく、 多くは州単位での祝祭日となります。 たとえば5月1日のメーデー(労働者の日)はチューリッヒ州では休みですが、 首都があるベルン州では平日です。

またスイスはフランス、ドイツ、イタリア、オーストリアといった国と陸続きですが、 国によって祝祭日が異なるため、 近隣諸国に短期旅行に出かけると意外と安く済みます。

事例紹介

秋休みを利用して帰省

スイス在住中は、 2週間の秋休みを利用して日本に帰省したり、 子供を日本の学校に体験入学させたことがあります。

航空券は購入する時期・日程によって価格が大幅に変わりますが、 チューリッヒ州の秋休みに移動する人数は限られているため、 比較的安く購入できました。 さらに値段を下げたければ Jokertag を使って移動日を平日にすることも可能です。

スポーツ休暇に泊まり込みでスキー

私が住んでいた村だと、 2月に2週間のスポーツ休暇がありました。

私は1週間の有給休暇を取り、 スキー場近くの貸別荘を借りて9日間(土日+スポーツ休暇のうち1週間+土日)スキー三昧。

2月のスキー場はハイシーズンなので混雑はしますが、 それでも日本ほどは一時期に人が集中しないので、 宿の価格もスキー場のリフト待ちも程々です。

雑感

日本も国民全体で一律に設定する祝祭日を減らし、 休みを分散できる仕組みがあると、 親、交通機関、観光業など皆が幸せになれる気がします。

あとは長期休暇を月曜開始、金曜開始にしてもらえると、 たとえば帰省の日程を決める際の自由度が上がるので助かります。