スイス連邦チューリッヒ州の公立幼稚園・小学校は、 7月から8月にかけて5週間の夏休みがあります。
今年は私は休暇を取らず、 子供たちは、 平日は FerienSpass Thalwil が提供する各種イベントに参加、もしくは同じ年代の友達と遊ぶ。 週末は、日帰り小旅行、サッカー観戦や湖水浴など近場で済ませましたが、 これがうまくハマりました。 今後数年間は同じパターンになりそうです。
ローカルな話題ですが、 調べてみたところスイス他地域でも FerienSpass Thalwil と似たようなシステムがあるようなので、 スイスで子育てする人向けに参考として記録しておきます。
FerienSpass Thalwil とは
チューリッヒ州で鉄道・バス・路面電車などの公共交通機関を運営する ZVV (Zücher Verkehrsverbund, チューリッヒ州交通組合) は、 毎年夏になると ZVV-FerienPass という青少年向けのパスを販売します。
これは6歳から16歳までの青少年向け向けに、
- 夏休み期間中、チューリッヒ州交通局の運行する路線(2等車)乗り放題チケット
- 提携施設の料金割引特典
がセットになったもので、 多くの博物館が入場料無料になったり、 指定レストランでアイスクリームを無料でもらえたりします。 料金は、今年は25スイスフラン(約3,600円)でした。
FerienSpass Thalwil は、 この ZVV-FerienPass にさらに子供向けのアクティビティ参加権が追加されたものになります。 料金は27スイスフラン(約3、850円)と ZVV-FerienPass に2スイスフラン追加されただけですが、 提供されるアクティビティは様々。 非営利団体が地元自治体や同好会などと提携してプログラムを作成しているため、 アクティビティ参加費用は無料から実費程度と格安です。
FerienSpass Thalwil の使い方
- 参加証となる冊子 (FerienSpass-Couvert) を、 数カ所ある 販売場所 で購入します。
- FerienSpass Thalwil の申し込みサイト でユーザ登録を行い、 アクティビティを選択して申し込みを行います。
- 子供に FerienSpass-Couvert と、 必要な場合は参加費用を持たせて、 アクティビティの集合場所に向かわせます。
参加できるアクティビティは12まで。 公平を期すために7月中旬までは事前申し込み期間、 同一のアクティビティに申込者多数だった場合には抽選となります。 その後は、空きがあれば随時申込可能。
アクティビティの例
ボルダリング入門
屋内ボルダリング施設で、ボルダリング入門コースを受けられる。 年齢別に3グループ(6〜8歳、9〜13歳、14〜16歳)あり、 いずれもコースは1時間。
参加費用は10スイスフラン(約1,400円)。 ボルダリングシューズをレンタルする場合は、 レンタル費用として5スイスフラン(約700円)必要。
動物園で餌やり体験
開園前の動物園に行き動物に餌やりを行い、 飼育員さんと質疑応答。
参加者は朝8時40分に鉄道駅集合。 非営利団体が手配した人と一緒に動物園まで電車で行き餌やりと見学、 13時40分に同じ鉄道駅で解散。
動物園の入場料8スイスフラン(約1,100円)が別途必要だが、 FerienSpass-Couvert に無料入場券が1枚ついてくるので、 それを利用することも可能。
競技オリエンテーリング入門
コンパスと地図を頼りに、 地図中に指定されたチェックポイントを走って回ってくる時間を競う「競技オリエンテーリング」(OL, Orientierungslauf) というスポーツがありますが、 この入門コース。
地元 OL 同好会の人が先生となり、 地図の読み方や競技の方法を子どもたちに教え、 子供同士で模擬試合を行います。
5日間コース。毎朝10時に集合して16時に解散します。 参加費用は25スイスフラン(約3,600円)でした。
雑感
FerienSpass Thalwil の良かった点:
- 企業が行っているサマーキャンプと比べると、 参加費用が圧倒的に安い。
- 集合場所が近所なので、送迎の手間が小さい。 また会場が遠いと子供が送迎の車の中で寝てしまったりして、 生活パターンが不安定になりがち。
- 参加者が近隣の子どもたちなので、 子供にとっても参加者に久しぶりに会う知り合いがいたり、 新しい友達を見つける機会になった。
- 子供の満足度も高かった。
完全に地元在住者向けの企画なので、 日本語はもちろん英語でも情報が出てきません。 確か私が初めて FerienSpass Thalwil の情報を見かけたのも、 駅の掲示板だった気がします。
チューリッヒ州は英語だけでも生活は可能ですが、 この手のローカルな情報は現地語を使って地元コミュニティと関わりを持たないと、 なかなか入ってこないですね。