スイスにおける新型コロナウイルスの状況

予防接種

当初は数量が限られていたため、 高齢者や既往症を抱えるハイリスク者と医療・介護関係者から接種が進められましたが、 一定の目処が立ったため、 最近になって16歳以上であれば誰でも予防接種を受けられるようになりました。

私が住んでいるチューリッヒ州でも、 本日から16歳以上であれば誰でも予防接種の予約をできるようなったので、 早速予約。 私の接種日は5月末と6月末の2回で、 予定通りにいけば夏休みには抗体が間に合いそうです。

対策の変遷

第二波以降

引き続き特別事態が宣言されていて、 スイス全土で法的強制力がある感染防止措置がとられていますが、 一時期よりは緩くなりました。

最も対策が厳しかったのが2021年1月18日から2月末までで、 この時は

  • 小売店は原則営業禁止(食料品など必需品を取り扱う店舗のみ例外)
  • 私的行事であっても集まるのは最大5人まで
  • 自宅作業の義務化
  • レストラン・バー全面営業禁止
  • 文化、余暇施設(動物園や映画館など)全面営業禁止

という状況でした。 外出規制がないのは幸いでしたが、 事実上の都市封鎖(ロックダウン)です。

これによって新規感染者の増加傾向に歯止めがかかったため、 3月から徐々に対策が緩和されました。 3月1日からは小売店と文化・余暇施設(屋外)、 4月19日からはレストラン・バーの屋外席と文化・余暇施設(屋内)の営業が再開。

現在有効な規則は次の通りです。

  • レストラン・バー
    • 屋内席営業禁止
    • 屋外席は着席しての利用のみ(立席は営業禁止)
    • 着席時以外はマスク着用
  • イベント
    • 参加者15人まで
    • 屋内開催の場合は観客50人、かつ定員の3分の1まで
    • 屋外開催の場合は観客100人、かつ定員の3分の1まで
  • 大学・短大の対面授業は50人まで
  • スポーツ
    • 15人まで
    • 身体接触を伴うスポーツは禁止
  • 私的会合
    • 屋内外を問わず参加者15名まで
  • 自宅作業の義務化
  • 店舗内や公共交通機関などでのマスク着用義務

これ以外にも、 レストランであれば顧客の連絡先と着席位置の収集、 学校であれば保護者の立入禁止など、 場面毎に対策が行われています。

近隣諸国と比較して

法的強制力がない日本と比べるとスイスの対策は厳しいですが、 近隣諸国、 たとえばドイツと比べるとかなり緩和的です。 興味深いことに対策の厳しさはスイスとドイツで全く異なるのに対して、 人口あたりの新規感染者数はほぼ同じ推移を辿っています。

スイスがピンポイントで感染リスクが高い場面を抑え込むのに成功したのか、 あるいは対策とは別の要因があるのか。

New confirmed cases of Covid-19 in Switzerland and Germany

今後の見込み

連邦政府は、 予防接種の進展に伴い次の3段階で対策を緩和するとしています。

  1. 高リスク者への予防接種が未完了(現状)
  2. 高リスク者の予防接種が完了
  3. 希望者への予防接種が完了

ただし途中で感染状況が悪化して、 たとえば集中治療室の病床が不足するような事態になった場合には、 即座に対策が強化されます。

参考

対策に関する最新情報は、 スイス連邦保健局(BAG)の Coronavirus: Massnahmen und Verordnungen で公開されています。