データサイエンス「超」入門
報道や巷間の俗説に対して、その裏付けとなる数字(統計)を読み込み、思い込みを廃して事実に迫る。 データサイエンスの本ではなく、データサイエンスを使った分析ですね。
個人的には既知の話が多く、あまり新しい発見はなかった。 これは本が悪いというより、私が想定読者層から外れている気がする。
ことばの発達の謎を解く
子供が母語を獲得する過程を実験を通じて分析。 伝統的な言語は学者が頭で考えたものなのに対して、 再現可能な実験を通して理解を深めるという方法は「伝統的経済学 vs 行動経済学」と似た関係。
言語獲得過程が主な興味の対象ですが、 それを通して、 そもそも言語とは何で人間はどのように世界を認識しているのかという疑問に対する手がかりも提示されている。
個別のエピソードになりますが、 前後左右の概念を持たずに絶対座標のみを使う言語があったり、 相対座標を使う場合でも言語(文化圏)によって基準設定が異なるという話が新鮮でした。 確かに常に外が見えて行動範囲が狭い場合には「山の方」「谷の方」などと言えば方角はわかるので、 わざわざ自分にとって右とか左と言う必要はないですね。
星のカービィ あぶないグルメ屋敷!?の巻
子供と毎日10〜15分ずつ、一文交代で音読。
任天堂のゲーム「星のカービィ」のキャラクターたちが繰り広げるドタバタ劇。 ゲームとは関係ないオリジナルストーリーとのことですが、 キャラクターの性格やゲーム中での能力がストーリーにうまく盛り込まれている。
ガリバー旅行記 (10歳までに読みたい世界名作)
子供と毎日10〜15分ずつ、一文交代で音読。
子供向けに編集された、ガリバー旅行記の抄訳版。小人の国と巨人の国の話のみ。
Das geheime Dinoversum X-tra 2: Gefahr für den Triceratops
小学3年生の子供と読んでいた «Das geheime Dinoversum Xtra» シリーズの第2巻 «Gefahr für den Triceratops» を読了。
少年二人が恐竜の時代にタイムスリップして恐竜に出会う話ですが、タイトルの通りトリケラトプスがメイン。 第1巻を読んだときには知らない単語がかなり多かったですが、今回は同一シリーズということで、それほどでも。
Beast Quest 2: Sepron, König der Meere
上の本に続いて、小学3年生の子供と音読。
剣と魔法の物語・第2巻。王国を守るはずの6体の獣が悪の魔法使いに操られ、逆に王国に厄災をもたらしている。 竜を解放する第1巻に引き続き、 悪の魔法を打ち破る魔法の道具を託された主人公が、 海の主である「ゼプロン」を解放するために旅をする話。
今回は海が舞台なので、水回りの単語が多かった。
- (水面などを)かき乱す aufwühlen
- (波などが大きな音を立てて崩れる) krachen
- 洪水が迫りくる heranrollen
- 波が立つ wogen
- 波が轟々と轟く tosen
- 波が(岩などにあたって)砕け散る aufbranden
- 水しぶき Gischt
- タール der Teer
- ぴちゃぴちゃと音を立てる plätschern
- 水が漏る sickern
- 船が横揺れする schlingern。
動作を描写する単語も豊富。 別の簡単な単語で言い換えることは可能ですが、 的確に情景描写するには小学生向けの本でもこの程度の語彙が必要になります。
- (隠れている獣を)見つけ出す aufspüren
- (敵を)屈服させる bezwingen
- 少し焦がす ansengen
- 焦がす versengen
- 馬の荷を下ろす absatteln
- (犬などが)ピチャピチャと音を立てて飲む schlabbern
- (リスなどがくるみのような硬いものを)カリカリと音を立てて食べる knabbern
- (毛を)逆立てる sträuben
- (灯火が)ちかちかとゆらめく flackern
- 犬かきをする paddeln
- 激しく殴りかかる eindreschen
- せわしなく走り回る herunterwuseln
- 粉々に壊す zerschmettern
- (髪の毛などが)もつれる verfilzen
- (もつれなどを)解きほぐす entknoten
- 手を届かせる herankönnen
- ほつれて房になる ausfransen
- (炎が激しく)燃え上がる lodern
- (火の粉などが)飛び散る stieben
- 〜にむけて〜を差し出す(炎に向けて盾を構えるとか)entgegenhalten
- (煙などが空に向かって)ゆらゆらとのぼっていく hinaufkräuseln
- しっかりと抱く festdrücken
- がっかりさせる entmutigen
- 寝そべる sich niederlegen
- アーチ型になる sich wölben
- 急に飛び出してくる hervorbrechen
- (カニなどが)ちょこちょこと歩く trippeln
- しゃがみこむ sich hinhocken
- 修繕する ausbessern
- (杭などを)打ち込む rammen
- (ぶらさがりながら両手で)登る sich hangeln
- 覆う・包み隠す umhüllen
- (埃などが)舞い上がる aufwirbeln
- 勇を鼓する sich zusammenreißen
- (感情などが)急に湧き上がる durchfahren
- すばやく脱ぎ着する aus etwas / in etwas schlüpfen
- (次の動き、たとえば殴りかかるのに備えて手足を伸ばす)ausholen
- はさまって動かない klemmen
- (鱗などで)皮膚の表面をこすって怪我をする aufschürfen
「見つけ出す」は、ドイツ語学習初期は「見つける」に相当する基本語彙 finden や ausfinding machen で済ませられる。
しかし日本語でも「見つけ出す」「探し出す」「探り出す」なとど微妙に異なる単語が多数あるように、 情景をより適切に描写するには、 ドイツ語でも aufspüren, ausforschen, auskundschaften, herauskommen, herausfinden などを使い分ける必要がある。 詳しい使い分けを理解するには独独辞典を使う必要あり。
文法的に日本語と使い方が異なるもの
absatteln は日本語だと「馬から鞍(荷)を下ろす」というように荷物が目的語にくるが、 ドイツ語だと «Ich sattele den Hengst ab» と「馬」が目的語になり、 鞍(荷)は出てこない。 名詞の Satttel が「鞍」を意味するので動詞に「鞍」が含意されている。 下ろすものを明示するなら absetzen などの別の単語を使う。
sträuben は日本語だと「狼が毛を逆立てる」「狼の毛が逆立つ」と使えるのに対応して、ドイツ語でも「狼」を主語にもってくる «Der Wolf sträubt das Fell» という言い方と、「毛」を主語に持ってくる «Dem Wolf sträubt sich das Fell» 両方の使い方ができる。後者の場合には再帰動詞に。
sich wölben は「頭上に青空が広がっていた」という表現で使われていた。 wölben はもともとは他動詞で何かを「アーチ型にする」「丸天井にする」という意味で、再帰動詞にすることで「アーチ型になる」という意味になる。 これで頭上に広がっているというイメージ。日本語では空とアーチは結びつかないので、古代からアーチ構造物が多い欧州的表現ですね。
sich hangeln は、主人公がロープを両手で掴みながら岩を登る場面で使用。 日本語だと「よじのぼる」が近い気がするけど、 これだと木の幹のような硬いものに掴まりながら上る場合も含むのに対して、 sich hangeln はぶらさがる感じが出ます。 木登りも含めて一般に「よじのぼる」だと (er)klettern でしょう。
durchfahren は感情が主語、目的語が人。 «Ein Schreck durchfuhr mich» を日本語に直訳すると「恐怖が私を襲った」になる。
ausholen は、この用法だと自動詞で目的語を取らない。 実際には「(殴るために)腕を振り上げて構えた」というように構えるものを明示することが多いので、 それを mit + Dativ で表す。