冬休みに向けて

冬休みに向けて、 欧州での新型コロナウイルスの現状、 スイスにおける規則などを調査。 我が家は例年通り、 スキー場の近くの貸別荘で過ごすことになりそうです。

新型コロナウイルスの現状

スイスでは十月から新型コロナウイルスの第二波が来ました。

どうにか全国レベルの医療崩壊には至らず、 十一月から新規感染者数は減少に転じました。 しかし最近は減少幅が小さくなり、 このまま高止まりすることが懸念されています。

出典: So entwickeln sich die Corona-Zahlen in der Schweiz (SRF)

出典: So entwickeln sich die Corona-Zahlen in der Schweiz (SRF)

なおスイスの中でも西側(フランス語圏)で感染者数が急増したため、 いくつかの州ではロックダウンが行われ、 病床が不足した病院から州外の病院への患者搬送なども行われました。

対策

全国レベルではロックダウンは行わず、 また冬休みを通してスキー場やレストランは営業します。

12月4日以前から有効な規則

  • 公共交通機関、不特定多数がアクセス可能な場所(小売店や博物館)、中心街などでのマスク着用義務。
  • イベントは開催者、観客含めて五十名まで。
  • 屋外で集まるのは十五人まで。
  • 私的な場所で集まるのは十人まで。
  • スポーツ、文化行事は別途定める保護規則に従う。
  • ディスコ、ダンスホール閉鎖。
  • レストラン・バーは各テーブル四人まで(同一家族の親子は適用除外)
  • レストラン・バーは深夜(二三時から六時まで)営業禁止。
  • レストラン・バーはテーブル席のみ。立席は禁止。
  • 大学は対面授業を中止し、遠隔授業に。

12月4日以降に有効となる追加規則

  • 小売店での顧客数を制限。
  • 歌唱禁止(例外は家族、義務教育、プロのみ)
  • スキー場営業に関して次の規則が追加。
    • ゴンドラ、鉄道、ケーブルカーなど閉鎖される乗り物は、定員が三分の二に減らされる。
    • リフト待ち行列、リフト乗車中のマスク着用が義務化。
    • レストランには座席がある場合にのみ入店可能。
    • 行列では1.5メートル間隔を保つ。
  • 自宅、レストランでの私的な会合は二家族まで(推奨)
  • 可能な限り自宅作業(推奨)

参考: Coronavirus: Massnahmen und Verordnungen

なお、スキー場は営業に際して州から営業許可を得る必要があります。

新型コロナウイルスの蔓延により病床が不足したり、 濃厚接触者の追跡が十分に行えなくなった場合には、 州単位でスキー場が閉鎖されます。 また特定のスキー場で保護規則が十分に守られていない場合、 そのスキー場に対する営業許可が取り消される可能性があります。

近隣諸国と比較して

隣国のドイツ、フランス、イタリア、オーストリアと比較すると、 スイスの対策、特にスキー場の営業に関する方針は緩やかです。

ドイツ、フランス、イタリアではスキー場は年明けまで営業禁止で、 特にイタリアでは国内移動も制限することになりました。 オーストリアではスキー場は営業しますが、 レストランとホテルは閉鎖されます。

参考: Diese Nachbarländer wollen keinen Schweizer Skitourismus (SRF)

なお隣国からスイスにスキーをしに来ることは非現実的です。 いずれの国でもスイスは新型コロナウイルス蔓延国として扱われており、 スイス滞在後に帰国した場合、 七から十日の自己隔離が義務付けらるためです。

国ごとの見解の相違

なおドイツやフランスは欧州全土でのスキー場閉鎖を求めており、 スイス国内でもスキー場入場者数に上限を設ける案が議論されましたが、 スイス連邦議会で却下されました。

閉鎖を求める側の論拠は、 今年の春にはスキー場で感染し帰宅後に感染を広げたと思われる事例が多数あったことです。 また人の行き来が増えれば感染拡大リスクは上がります。

営業継続側の論拠は、 これまで分かっているウイルスの振る舞いを踏まえると、 スキーをすること自体での感染拡大リスクは低いと思われること、 ならびに秋から営業しているスキー場がいくつかありますが、 そこでクラスターが発生していないことです。 今春のスキー場での感染は Après-Ski と呼ばれるスキー終了後の会食やダンスの場面で起こったと推測されるので、 そこをピンポイントで制限する保護規則を策定したことで感染拡大リスクは抑えられるという判断。

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