スイスにおける新型コロナウイルス感染症の状況

スイスは、 10月初旬までは欧州の中では感染者数が比較的少なく状況が落ち着いていたのですが、 中旬から急激に新規感染者数が増えました。

それに伴って、 入院患者、特に集中治療室で治療を受ける患者が増えてきたため、 今後も増加傾向が続くようであれば再度のロックダウンもあり得るという状況です。

集中治療室の病床利用状況

集中治療室の病床利用状況

凡例

  • 灰色 空き
  • 薄紫 新型コロナウイルス以外の患者
  • 濃紫 新型コロナウイルス患者

出典: So ausgelastet sind die Intensivstationen wegen Corona

なお隣国のフランスやオーストリアでは外出制限を伴う厳しい措置が取られていますが、 スイスではいまのところ制限は比較的緩いです。

スイス連邦保健局の公式通達

  • ディスコ、ダンスホールは営業禁止
  • レストラン、バーでは子連れの家族を除いて1テーブルあたり4人までに制限。23時から6時までは営業禁止。
  • 50人以上のイベント開催禁止。例外は議会、地方自治体の集会、政治デモ、ならびに署名活動。
  • プライベートでも10人以上の行事は禁止。(誕生パーティーなど)
  • 高等教育(大学以上)では対面授業を遠隔授業に切り替え。後期中等教育(日本の高校相当)までは対面授業可。
  • 15人以上のスポーツ、文化の余暇活動禁止。
  • アマチュア合唱団の活動禁止。プロ合唱団の練習は許可。
  • マスク着用義務の強化(屋外でも1.5mの距離を保てない場合には着用義務化)
  • 可能な限り自宅作業に切り替える。

参考: Neues Coronavirus: neue Massnahmen, Schnelltests, angepasste Reisequarantäne

州によっては、 追加でより厳しい措置をとっている場合もあります。

雑感

秋の状況

個人の観測範囲では、 複数の家族から子供が集まって誕生会を行う、 レストランで老人の一団が同じテーブルで食事をする、 駅でボーイスカウトが密集してスローガンを叫ぶ、 学生の集団が近距離で話しながら歩くなど、 いつ感染が拡大してもおかしくないと思える状況でした。

小学校

小学校がほぼ通常通りに機能しているので、 助かっています。

春のロックダウンのときには授業がすべて遠隔授業になったため、 子供が課題をこなすのを助けるのに一日数時間。 また授業が終わると子供が家に常にいるので、 なかなか仕事に時間を割けませんでした。

今回は授業は対面授業が継続、 学童保育も通常通り。 またマスク着用義務も12歳未満は対象外なので、 放課後の課外活動も行われています。

一方で、 授業参観などのイベントは全てキャンセル。 先生との面談もどうなることやら。

マスク着用

春はマスク供給体制が整っていおらず、 またマスク着用がウイルス感染を防ぐという十分なエビデンスが蓄積されていないということで、 マスク着用は推奨されていませんでした。

今回はマスク着用が義務になり、市中でもマスクをしている人が増えています。 一方で顎マスクだったり鼻が出ている人、 普段はマスクをしているのに話すときに外す人(しかも病院事務)もいて、 まだマスクを正しく活用できるようになるまでは時間がかかりそう。

小売店

春は生活に必須の業種を除いて全面閉鎖されましたが、 今回は飲食やダンス関係以外の商店は通常営業です。

同時入店者数の制限はありますが、 一家族一名までといったような厳しい制約ではありません。

外出

春も今回も外出禁止令は出ておらず、 スポーツも個人・少人数競技(ジョギング、マウンテンバイクなど)であれば制限なしです。

部屋にこもらずに外に行けるのは、 気分的にも運動不足解消のためにも助かります。 ただ冬になると雨が多くなるので、 今後は外に行ける機会が減りそうです。

今冬、スキー場がオープンすることを期待。

病院

病床逼迫のため、 春は緊急以外の手術が延期されていました。 今回もすでにいくつかの州では病床が逼迫し始めて、 同様の対策を取り始めています。

私は今年の冬に手術を控えているのですが、 予定通りに受けられるかが心配です。