Anki を使った漢字の勉強(小学生)

小学三年生の息子が漢字を覚えるために、 私がドイツ語学習で使っているフラッシュカードアプリ Anki を使い始めました。

海外在住で現地校に通っていると、 日本在住の子供と比べて漢字に触れる回数が圧倒的に少なくなるため、 何らかの形で補助しないと学年相応の漢字が身につきません。

学習に使うデッキは手作りで、 子供に合わせて運用方法を試行錯誤しています。 運用が落ち着いてきたので公開。

登録

ノートの作り方

読みと書きの両方を覚える必要があるため、 ノートタイプは両面にして、

漢字混じり文ひらがな文

としています。

これで最初は漢字混じり文が表示されて読みを覚え、 次回はひらがなを見て漢字を書く練習になります。 異なる読み毎に別のノートを作っています。

例文の入力ルール

小学生向けに自然な例文を作ると、 未学習の漢字を含むことになります。 たとえば「葉」を「よう」と読ませる例文として、 「紅葉を見に行く」を作ると、 「紅」の時はこの時点では未学習です。

未学習の漢字を開いて「こう葉を見に行く」とすると意味が分かりにくくなるので、 未学習の部分は太字にし、 隣に親がついて適宜助けを出しています。

葉を見に行くこう ようをみにいく

未学習の漢字でも、 何度か見ていると子供はついでに覚えます。

デッキの構築

授業で使うテキストがあるので、 どの漢字を学習するのかは事前に分かっていますが、 いつ、どの順番で習うかは授業の進行によります。

  • コンテクストがあったほうが覚えやすいため、 子供には、 その漢字が実際に授業に出るタイミングで Anki でも学習させたい。
  • 親は事前にまとめて入力しておきたい。

この二つを両立させるために、 タグに基づいたフィルターデッキを利用しています。

  1. タグ「未」がついたカードのみを表示するフィルターデッキを作成
  2. 入力時にはタグ「未」をつけておく
  3. 授業で出てきたタイミングで、タグ「未」をはずす
  4. タグを変更したタイミングで、フィルターデッキを再作成

これでフィルターデッキに未学習のカードが集まり、 学習するカードのみ通常のデッキに残ります。 子供は通常デッキのみ学習、 フィルターデッキは無視します。

学習

学習設定

親が隣について学習するため(後述)、 画面が大きな Chromebook PC 上で Android 版の Anki を使って学習しています。 メニュー「設定」「カードの学習」にある「カードの拡大・縮小」と「解答表示ボタン・解答ボタンのサイズ」を、 それぞれ 300 %と 200% にし、 アプリは全画面表示で使っています。

デッキオプション「新規カードと基本学習」で「新規の関連カードの学習を延期」にチェックを入れています。 これで読みと書きのカードが同じ日に表示されることがなくなります。

学習方法

子供が Anki を使って学習する際には、 必ず親が隣について見るようにしています。

理由は二つあり、 まず子供が分かっていないのに適当に回答ボタンを押して進めてしまうことを防ぐためです。 特に勉強の後に遊ぶ予定がある場合など、 親の目が無いと適当にボタンを連打して「終わった」と報告してくることがありました (学習にかかった時間が表示されるので、だいたいすぐにバレるわけですが)。

もう一つは、 学習をサポートするためです。 上に書いたように、 未学習の漢字もそのまま入力しているため、 聞かれたタイミングで読みや意味を教える必要があります。 また漢字はノートに書かせるようにしていますが、 その際に漢字の細部が間違っていたり、 あるいは書き順が間違っていることがあるので、 すぐに訂正する必要があります。

子供も15分ぐらいであれば、 集中力が続くようです。 飽きてくることもあって、 そのときにはノートではなくタブレットにペンで書かせたり、 新規単語を Google でイメージ検索してみたりと、 学習から完全には気が逸れない程度の寄り道を入れています。

経過

三年生の途中から始めたので、 二年生の漢字も別デッキにして並行して学習しています。

各デッキとも新規カード5枚/日にして、 学習に各デッキ15分、合計で30分かかっています。 新規学習カードが尽きて復習だけになれば学習時間は短くなるので、 長期的には1日15分程度で落ち着くと思います。 あとは読書量との兼ね合いですね。

小学生では学年あたり200弱の漢字を習うので、 平均して読み方が3つあると仮定すると、 年間で読み書きそれぞれ600枚、 合計1,200枚のカードを新規学習する必要があります。

新規カード5枚/1日を基本にして、 長期休暇の一部や旅行中などは新規カード無しにすると良さそうです。

追記: 教科書体フォントを使用する

Android 標準フォントだと手書きと形が異なる文字があるため、 漢字の学習に際しては教科書体フォントをインストールして利用することを勧めます。 方法を別のエントリに書きました。

Anki で教科書体フォントを使う